脳卒中予防十か条

〈1〉手始めに高血圧から治しましょう 

毎日測ろう!朝の血圧

高血圧は、脳卒中の最大の危険因子です。血圧が高くなると脳の欠陥に大きな負担がかかり、それによって血管が破れたり、血栓ができて、それが脳の血管をつまらせたりします。
特に注意しなければならないのが、朝の血圧です。健康な人でも朝、目が覚める少し前から血圧が上昇します。そのためもともと血圧の高い人は朝に急激に血圧が上昇してしまう「早朝高血圧」が怒ることが多いです。早朝に脳卒中が起こりやすいのはこの早朝高血圧が関係している可能性があります。毎朝血圧を測り自分の状態を知り、血圧が高い場合は早めに相談ください。

〈2〉糖尿病放っておいたら悔い残る 

早期発見でコントロール

糖尿病は、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が高くなる病気です。膵臓からでるインスリンというホルモンの分泌や働きが悪くなるのが主な原因です。
糖尿病は血管に大きなダメージを与えることが知られています。それが動脈硬化を進めることになり、血栓ができやすくなるので脳梗塞が起こりやすくなります。
はじめの頃は自覚症状がないので治療に消極的になりがちですが、放っておくと脳卒中や心臓病につながります。早期に発見し、血糖値をコントロールすることが大切です。

〈3〉不整脈見つかり次第すぐ受診

特にあぶない心房細動

不整脈は心臓の拍動が早くなったり遅くなったり不規則になる病気です。動機や目まい、胸のあたりに違和感といった症状が出る場合もあります。不整脈の中でも注意しなければならないのが心房細動です。心房細動があると心臓の中に血栓ができやすくなります。心臓でできた血栓が血流に乗って脳に運ばれると、脳の血管を詰まらせてしまいます。心房細動は高齢者に多くみられ、しかも心房細動による脳卒中は重症例が多いので注意が必要です。脈が速くなる、その感覚がバラバラになるなどの症状がでたらすぐに受診してください。        

〈4〉予防にはタバコをやめる意志を持て

確かにそうだ そろそろきっぱり

喫煙は、動脈硬化を促進するので、癌だけでなく脳卒中、狭心症、心筋梗塞になりやすくなります。タバコの本数が多いほど脳卒中のリスクが高くなり、吸っている本人だけでなく、周りの人にも悪影響を及ぼします。
喫煙による脳卒中発症のリスクは禁煙によって2年以内に急速に下がります。今からでも遅くありません。勇気を持ってきっぱりやめる決断をしてください。

〈5〉アルコール、控えめは薬 過ぎれば毒

週に二日は休肝日

お酒を飲むこと自体が悪いわけではありませんが、飲み過ぎは生活習慣病の大きな一因です。お酒を飲む機会の多いときでも週に2日は飲まない日をつくり適量を守って楽しむことが大切です。
適量の目安は、ビールなら中瓶1本、日本酒は1合、赤ワインならグラスに2杯です。
アルコール自体カロリーが高く、塩辛いつまみを多く摂るため、高カロリー・高塩分摂取につながり生活習慣を乱す原因となりやすいことが指摘されています。
週に2日は休肝日ですよ。

〈6〉高すぎるコレステロールも見逃すな

ゆっくり進む動脈硬化

脳卒中の危険因子のひとつ、脂質異常症は、血液中に悪玉コレステロールや中性脂肪などの脂肪分が異常に多い状態とのこと。コレステロールは本来は体に必要な成分ですが、悪玉コレステロールが増えすぎれば、血管の内側のよごれのようにたまっていき、動脈硬化を引き起こしてしまいます。
動脈硬化になると、血管内が狭くなり血液の流れが悪くなり、血管は弾力性を失ってもろくなります。動脈硬化をそのままにしておくと、自覚症状もなく、徐々に進行するのも怖いところです。その結果、脳卒中を引き起こす危険性が高まります。悪玉コレステロール値が高いなど脂質異常症は早めに治療しましょう。

〈7〉お食事の塩分・脂肪控えめに

丼、麺よりも和の定食を

生活習慣病の予防と治療には、毎日の食事療法が欠かせません。その基本となるのは、塩分と脂肪分を控えめにすることです。
塩分は1日10g(高血圧の方は6g)が目安。調理するときには、だしや香辛料、香味野菜などを上手に使って薄味を心がけましょう。塩分の多いインスタント食品を控えることも大切です。一方、脂肪分の摂取量を減らすためには、揚げ物、炒め物など油を多く使う料理はなるべく避けましょう。主菜は肉よりも魚を。魚にはコレステロールを排出する働きのある不飽和脂肪酸が多く含まれています。また、外食するときも塩分・脂肪分カロリーの摂りすぎに注意。丼や麺類よりも和定食を選ぶようにしましょう。

    

〈8〉体力に合った運動続けよう

続けることが大事な一歩

生活習慣病の予防と治療に欠かせないのが、毎日の運動です。運動はカロリーを消費し、善玉コレステロールを増やし、血圧や血糖値を下げ、その上ストレスも解消してくれます。ジョギングや水泳、ジムに通うだけが運動ではありません。忙しいから続けられない、というような運動ではなく、一万歩を目指して歩くなど、毎日続けられる簡単な運動を習慣にする方が効果的です。例えば事務系の仕事の方でも、階段を使う、少しの距離は車を使わず歩いたり自転車にのるなど、ちょっとした工夫で運動量を増やすことができます。
続けられるように無理なく生活に運動を取り込みましょう。

〈9〉万病の引き金になる太りすぎ

メタボのもとはおなかの脂肪

肥満は生活習慣病の危険信号です。特に内蔵脂肪型肥満は要注意。高血圧症や糖尿病、脂質異常症を併発し、メタボリックシンドロームとなる危険性があります。
内蔵脂肪肥満かどうかを判断する材料となるのが、おへそ周りのサイズ。男性の場合85cm以上、女性の場合は90cm以上なら内蔵脂肪が異常にたまった状態と判断されます。ただ、内蔵脂肪は食事療法や運動で比較的簡単に減らせる脂肪です。腹八分目を心がけて食べ過ぎに注意したりエクササイズやウォーキングなどを習慣にしたりと毎日の生活習慣を見直しましょう。早めの対策が生活習慣病予防にもつながります。

〈10〉脳卒中起きたらすぐに病院へ 

早い対処が明暗分ける

脳卒中では、次のような症状が突然に起こります。
・片方の手足、顔半分の麻痺、しびれが起こる
・ロレツが回らない、言葉が出ない、他人の言うことが理解できない
・力はあるのに、立てない、歩けない、フラフラする
・片方の目が見えない、ものが二つにみえる、視野の半分が欠ける
・経験したことのない激しい頭痛がする
 
*重傷のときは意識状態が悪くなることもあります。
 
脳卒中による脳の損傷を早くくいとめるためには、早期診断、早期治療が大切です。もしも自分や周りの人に、このような症状が現れた時は早く受診しましょう。

          

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医院名

医療法人照正会

京町内科・脳神経クリニック

院長
宮之原 正和
住所
〒896-0003
鹿児島県いちき串木野市京町43番地
診療時間

8:30 - 12:30、13:30 - 17:30

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